鳥取県八頭町のパン屋です

もりのひとから・・・

ちょくちょくテレビで取り上げていただいているのを機に、
お店をはじめてからずっと感じていることを書いてみます。

「パンを通じて森と人をつなぐ」

ってなんなのか。

山にあがって山菜を取ったり、木苺を摘んできて酵母にしたり
ヨモギを刻んでパンに入れたり。
これは、できる。

では、パンを買っていった人たちは、パンを食べて
「森っていいなぁ」

ってなるのか?

どちらかというと、「パンが美味しいなぁ」もしくは「硬いなぁ」(?)
で終わるのではないか。

薪割り会や、小学校の子供たちと山で遊ぶ方がよっぽど
山の中っていいなぁにつながるのでは?

子どもを連れたお客さんが
ランチを食べたり、パンを食べたりしていて
なんとなく、「困っている」雰囲気な時がある。

自分自身、自分の性質が障害にならないように
色んな事を工夫して生きているから
子どもを育てているときに感じることをもっと共有できたり
話したりできればなぁと思うんだけど、日々のお客さんとのやりとりの中では限界を感じる。

北海道という地で、子供を野外でどんなふうに育てたり
寄り添って自然と学べるかという活動をNPOの職員としてずっとやっていた人が
「食べ物を通じて子供たちと関わりたい」と思い始めて
もう1人は大学で川のことや山のことや勉強しながら
鳥取に帰って、少しずつでいいから未来が住みやすくなることにつながる仕事がしたいなと思いながら
北海道でいろんな体験をしていて。
そんなときに、2011年3月11日の
震災が起こりました。

「震災で変わった」という人は多いと思うけど
やはり2011年の震災の影響はすごく受けている。

東北と北海道というのは、距離的にも近いし
いろんな繋がりがあるので
その2011年の夏に、福島の子供達が
北海道に長期間滞在してもらって
保養できるようにする取り組みが
はじまりました。 「ふくしまキッズ」http://fukushima-kids.org/

もりのひと、の2人は
その取り組みを通じて出合いました。

今生きている社会が、ほんとうはとても
脆い仕組みで成り立っているということ。
大きな地震が起きたり津波が起きたりしたら
すぐに揺らいでしまうものだということ。
信頼できる人間関係や、
食べることや寝ること、体を動かすこと
生活の基盤。

2人が大事にしたいことを合わせて仕事にしたいね、と。

パンを食べておいしいのも大事だし、
外で体を動かすことや、山に時々あがって自然を感じたり、
少しづつ世の中が良い方向へ変わっていくというのも大事。

2017年の薪割り会は6月からはじめます。

”モリノナカデ” ずっとあたためてきたものを
少しづつ、動かせるといいなぁ。

本日も11時より、パン屋さんオープンします。